真剣の刃を握って傷つかぬ少年の気合い術
どんな伝承か
神戸市内の村野実業高校に、剣道で身につけた気合い術によって、ちょっとした超能力めいた業を見せる少年がいた。著者が実際に出会ったこの剣道部員は、抜き身の真剣を掌でしっかりと握り、さらに紐や手拭いで手を刃に縛りつけたうえで、掛け声もろとも掌を刃の上で上下にしごいてみせた。それでも掌には傷ひとつ付かなかったという。著者は、ある程度の精神修養を積めば人に秘められた力を引き出せる例としてこの少年を挙げ、続けて禅寺の高僧が見せた驚くべき力の話へと筆を進めている。
原典より
「えいっ!」気合いもろとも、掌をやいばの上で上下させる。—— 現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の怪奇-日本列島のミステリー地帯(鈴江淳也・1970年(昭和45年))
『現代の怪奇――日本列島のミステリー地帯』は、鈴江淳也が前著『日本の奇談』に続けてまとめた、現代の超常現象と奇談のレポートである。桑名の「天狗の初さん」、新幹線の亡霊、京都のタクシーに乗る幽霊客、人魂、原因の知れない奇病、念写と三田光一の透視などを、著者の取材・面談と、大正の新聞から昭和四十年代の週刊誌までの記事で集めて収める。五つの部に分け、あとがきは昭和四十五年三月の日付で、巻末に機関誌などを入手できる団体・研究家の一覧を付す。