交霊会で踊りだした三体の人形
どんな伝承か
心霊研究会の助手・松代きぬ子が、著者に無断で服部霊媒と水原きくに誘われ、大田区の立派な家で開かれた交霊会に参加した。午後八時から始まった会では現象が次々と出て、中でも目覚ましかったのは人形の踊りで、三体の人形がまるで人間のように同時に日本舞踊を踊り出した。だが夜食の酒の席で服部は「研究会は手当を出さないから現象が出ない。今夜はアルバイトだ」と本音を漏らし、普段はやらない水晶珠の引寄せまで見せた。きぬ子は一晩に二、三万円も払う価値はないと幻滅を語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化