稲荷の神庫に住みついた女
どんな伝承か
霊媒服部をめぐる騒ぎのあと、会員の水原が急におかしくなり、自分に狐がついたと言って研究会で泣いたり狂ったりし始めた。著者は精神病学科のインターン東村と二人で、こっそり研究室に残ってもらって診断にかかる。カルテを調べると強度の精神分裂症と見るほかなく、子宮内膜炎の後遺症から激しい亢奮を起こしていた。いまどこにいるのかと尋ねると、水原は下連雀の稲荷の神庫に住んでいると答え、下連雀の土手に住む古狐が自分に憑いて、女房になれと言ってきかないので毎晩一緒に寝ているのだと、夢うつつのように語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化