救急患者三十三人中十二人の体験
どんな伝承か
著者は、臨死体験がどれほど広く起きているかを示す例として、杏林大学医学部の秦葭哉教授のグループによる調査を挙げている。この四年のあいだに同大学の付属病院の救急外来へ運び込まれた意識不明の患者のうち、蘇生したのち知的な障害を残さなかった三十三人に聞き取りをしたところ、十二人が臨死体験をしていた。割合にして三十六パーセントという高さである。アメリカの各種の調査でも、死にかけて生き返った人の三割前後が体験しているという結果が出ており、著者は、臨死体験は人類に普遍的な現象らしいと述べる。体験の中身は人により異なるが、お花畑や川、体外離脱といった構造は共通するという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
証言・臨死体験(立花隆・臨死体験・ノンフィクション・1996年(平成8年))
『証言・臨死体験』は、立花隆が文藝春秋の雑誌『クレア』に連載し、一九九六年に単行本として刊行した臨死体験の証言集である。俳優の安田伸、作家の水上勉、彗星探索家の木内鶴彦、プロレスラーの大仁田厚、映画監督の羽仁進など、病気や事故で死の淵に臨んだ二十三人の体験を、本人や家族からの聞き取りで記録する。各章は人物の略歴と前置きに続けて問答形式の談話を載せ、本人の著書や手記からの引用も交える。