壁越しに送られたトニーの念力
どんな伝承か
トニーは一九六六年二月六日に来日し、十四日にマニラへ戻るまで、東京の宗教心理学研究所で本山博士の検査を受けた。実験室は厚いコンクリートの壁で仕切られ、送り手のトニーと受け手は木の衝立で隔てた別々の寝台に横たわり、互いに感覚では通じ合えないようにされた。脳波や呼吸、血量、皮膚の電気反応を同時に記録し、電気の合図でトニーが受け手に力を集中する一分間と静かな時間とを比べた。最初の検査で受け手を務めた博士の母をはじめ、一週間さまざまな受け手で測ると、力を送っている間に二人の心身に同時の変化が現れたという。博士は、これは心霊手術そのものの証明ではなく追試が要ると慎重に述べている。
原典より
トニーは今月の六日に日本へ来て、十四日に、マニラへ戻った。—— フィリピンにおける素手心霊外科手術報告書(ハロルド・シャーマン(著)、早川芳男(訳)・1974年(昭和49年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
フィリピンにおける素手心霊外科手術報告書(ハロルド・シャーマン(著)、早川芳男(訳)・1974年(昭和49年))
『フィリピンにおける素手心霊外科手術報告書』は、ハロルド・シャーマンが著し、早川芳男が訳した心霊手術の調査報告である。一九六六年に実業家ベルクや本山博らとフィリピンへ渡った著者が、素手で手術するというトニー・アグパオアやテルテらの施術に立ち会った見聞を、患者の記録や新聞記事、いんちきとの告発とあわせて記す。二十一章と手術後の追加報告からなり、原著は一九六七年刊で、昭和四十九年付の本山博の序と霞ヶ関書房の「出版社のことば」を付ける。