神隠しに遭いやすい子の気質
どんな伝承か
変態心理の研究者である中村古峡は、かつて奥州七戸辺りの実例について調査を行ったことがあった。神に隠されるような子供には、その前から他の児童と少し違った気質があるのかどうか。柳田国男はこれを将来の興味ある問題としつつ、自分は有ると思うと述べ、自身もまた隠されやすい方の子供であったかと回想している。七つの年に頬冠りの男に横合いから抱えられて走られたこと、母や弟と茸狩りに行って同じ淋しい池の岸へ戻ってしまったことなどを挙げ、もし一人であったならまた一つの神隠しの例を残しただろうと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。