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入金の廊下に残る小さな足跡

所在地東京都墨田区向島(入金)
年代昭和
登場ぽんた、小蔦、投身自殺した雛妓、ぽんたに恥をかかせた老妓
出典霊界五十年

どんな伝承か

向島の入金という料理屋で、著者は死んだ若い芸妓の追善会を営んだ。ぽんたと呼ばれたその雛妓は十六で、抱えの主人が将来は嫁にと考えるほどの売れっ子だったが、故郷の鴨川町へ遊びに行った先で宿を抜け出し、岬の岩の方へ歩いていったきり戻らなかった。翌朝、沖から帰る漁船が海に漂う姿を見つける。友禅の単衣に舞扇を差したままで、岸には下駄が揃えて脱いであった。座敷で舞をこきおろされ恥をかいたことを苦にしての死だという。追善会の夜、拭いたばかりの廊下に小さな足跡が点々と残った。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

霊界五十年(長田幹彦)

『霊界五十年』は、長田幹彦が自らの心霊体験を一人称でつづった随筆集である。霊媒亀井三郎の実験に立ち会った話に始まり、大正十四年に東京中央放送局で見た変死した技師の霊、自殺者の霊、神隠し、心霊写真、死者の霊との交わりなど、長年にわたって見聞きした出来事を語る。「亀井霊媒の実験」「放送局の幽霊」「霊界夜話」「幽霊のキスマーク」などの短い章を連ね、心霊研究の知人や医師との問答を多く交える。

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