影を映すと引き込む影取沼
どんな伝承か
秋田県平鹿郡にあるという影取沼は、その傍らを通る人の影が沼に映ると、その人を沼へ引き込んでしまうと言い伝えられている。原典は、妖怪が草木や石だけでなく、川や海、沼といった日本の風景のほとんどすべてにひそんでいる例の一つとして、湖底の蜘蛛の伝わる滋賀県の余呉湖と並べてこの沼を挙げている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)
『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が著した日本文学の幽霊論である。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『今昔物語集』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じたのち、物語・説話・能と歌舞伎・近代の章を立て、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。