添い乳のまどろみに立った伯父
どんな伝承か
三年前の九月十四日夜九時ごろ、太田次子が子に添乳しながらうとうとしていると、大恩ある京都の伯父が病床にあるはずなのに、にこにこと目の前に立っていた。驚いて目を覚ましたが、翌朝京都から電報が届き、伯父は昨夜九時に死去したという知らせだった。伯父は亡くなるまで彼女の名を繰り返し、今一度会いたいと言い続けていたと後に聞かされた。
原典より
私が子供に添乳をしながらうとうとしてをりますと、不思議なことには大病の伯父がにこにことして、私の前に立つてをります。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)
『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。