首斬り浅右衛門の用箪笥
どんな伝承か
作家は友人の村上次郎から、首斬り浅右衛門の名で知られた山田家に伝わる用箪笥を譲り受けた。山田家の屋敷は麴町平河町の、当時の麴町病院が建つ場所にあり、作家も子どもの頃まで覚えていたという。総桐の小ぶりな箪笥は七代目吉利が自ら作ったもので、高橋お伝の処決に関わる書類も収められていたらしい。書斎に据えて原稿入れに使い出して三日目の暁方、彼は天井から落ちた大石の下敷きになる悪夢に襲われる。抜け出せずに苦しんでいると、頭の上を男女いくつもの首が笑いながら走馬燈のように過ぎていった。翌日から幼い娘が次々と原因不明の高熱を出した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)
『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。