電光が両眼を貫く郁子の透覚と賽
どんな伝承か
讃岐丸亀の裁判所判事、長尾與吉の妻郁子が御船千鶴子にまさる透覚をすると聞き、福來・今村の両博士が出向いて実験した。同行した小野福平によると、郁子は口をすすぎ、立ったまま二、三度深く息をしてから対象の前に座り、目を閉じて手を合わせ天照皇大神を念じる。合わせた手はそのまま膝まで下りて左右に分かれ、その瞬間、右目から左目へ稲妻が走るように感じて、対象が目の前で平たく開き、書かれた字がはっきり読めるのだという。誰も見ずに転がした賽を透覚させると、全部の目が一度に見えて上の目は分からないと答えた。そこで小野が六つの面に天地日月山水の字を書いた賽で試すと、月と山は当たり、三度目は地の字を山と答えた。
原典より
夫人は一度は月といひ、一度は山といひ、この二つは當つたが、三回目に山といつたのは地の字であつた。—— 靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
靈魂に就いての奇話(本誌記者編・趣味の科學)
『靈魂に就いての奇話』は、本誌記者が編んで雑誌の連載欄「趣味の科學」に載せた心霊研究の読み物である。欧米の心霊研究が説く霊魂と死後の生活、エジソンの霊界通信機の構想、ノバスコシアの騒霊事件、亡き人が夢や姿で知らせた話などを、学者の説や新聞雑誌の記事から集めて紹介する。「死後の生活」「不思議の現象と心理研究」「千里眼念寫の奇現象」と題を替えて回を重ね、終回では長尾郁子の透視や渡邊偉哉の念写の実験記録を取り上げる。