芝の紳士の直覚的透視
どんな伝承か
人には皆いくらか直覚的な霊能が具わっており、修行練磨の功を積めばその霊覚力は神の如きものになる、と著者はいう。芝区の某町に某氏という紳士があって、しばしば一目で他人の精神状態を判知し、またその人の既往の歴史を覚知した。紳士自身は、どうしてそれができるのかを説明し得ず、ただそう直覚するだけであるという。あるとき某易者の所で、易者が他人の身の上を判断するのを聞きながら静かに失笑し、また某料理店では給仕の婦人の経歴を語って一家を驚かせた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。