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気合で開いた萎えた女の腕

所在地東京都千代田区神田錦町(錦輝館)
年代明治三三年
登場熊嶽、細川見龍、術競べを挑んだ医師・剣客
出典霊術家の饗宴

どんな伝承か

浜口熊嶽は、萎えた女の腕に向かって、動く、手だ、開け、パァーと叫び、掌を肩先から指へすばやく走らせた。その瞬間、長年にわたって胸に貼りついていた腕と手がさっと左右に開いた。喚声と拍手のなか、女は涙を流して何度も手を握り返し、開いたり閉じたりした。続いて若い女が万座の前で乳房を露わにすると、熊嶽は気合をかけ、乳頭に白い液が滲みでたのち一筋の乳が三尺余もほとばしった。有名な乳出しの術である。手も触れずに歯が抜け、萎えた手が動くという現象は記者花岡の理解を超えていた。以上は当時の多数の新聞記事と生存関係者への取材によって構成された施術の模様である。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

霊術家の饗宴(井村宏次・井村宏次・霊術研究・現代(著述))

井村宏次『霊術家の饗宴』。明治末から昭和初期にかけて隆盛し、抹消された〈霊術家運動〉の歴史を発掘・復元する。プロローグで霊術家の運命を予告し、第一章では気合術師・浜口熊嶽が帝都に乗り込み九字と気合の嵐で名を上げ、明治の心霊手術を行い、実川上人のもと那智滝で仙人修行・三密の極意を得て、大阪の『真言秘密』裁判で判官臨席の気合術実験により勝利するまでを描く。

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