山下公園に据える米国の水の守護神
どんな伝承か
小平町で雨乞いがあったわずか一週間前、横浜市の市長公舎で「水の守護神」の受け渡し式が催された。日本側からは市長や助役ら市の幹部が、アメリカ側からは総領事や海軍の高官数十人が列席した。像はサンジエゴ市庁舎の前に立ってサンジエゴ湾を守る水の守護神の複製で、山下公園に据えて横浜港を守らせるのだという。両市は姉妹都市の間柄で、日米親善の贈り物だと新聞は伝えた。水神さまと呼べば古臭いのに、アメリカ渡来の守護神と言いかえると迷信めいて聞こえないのも人情だと著者は皮肉っている。
原典より
これはアメリカのサンジエゴ市庁前に立ちサンジエゴ湾を守っている水の守護神の複製で、山下公園に建てて、横浜港を守るのだという。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。