桂離宮の門前で四つ葉を探した原爆の父
どんな伝承か
昭和三十五年九月十三日、京都の桂離宮の門前の芝生で、白髪で背の高い外国人が熱心に四つ葉のクローバーを探していたと、当時の週刊朝日が写真入りで伝えた。その人は原子物理学者のロバート・オッペンハイマー博士で、知的交流日本委員会に招かれて来日し、湯川秀樹博士を京都に訪ねた日のことだった。著者は、四つ葉を探したくらいで大学者を迷信家と笑う人はいないだろうとし、縁起にとらわれすぎるか、ゆとりをもって楽しむかが、迷信になるかどうかの分かれ目の一つだと述べている。
原典より
「昭和三五年九月一三日、京都の桂離宮門前の芝生で、熱心に四つ葉のクローバーを捜している白髪長身の外人がいた・・・・・・」と、当時の週刊朝日が意味深長な記事と写真を掲げていた。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。