湯ぶねに浮かぶ木製の金勢大明神
どんな伝承か
受胎のマジナイでよく話題になるのが、岩手との県境、八幡平中腹にある秋田県のフケの湯の金勢大明神である。大きいものは一メートルもありそうな木製の男根が、湯ぶねの中に大小さまざま何本も浮いていた。数年前に内外タイムズが一ページの特集をやったころにはまだ残っていたらしく、何枚かの写真が紹介され、ある宮様も土産に持ち帰ったこと、故牧野富太郎博士(植物学)が奉納した金勢様には「死んだ後でも衰えざるよう……」との願文が記されていたことなどが伝えられている。フケ湯にこうした物が浮きはじめたのは決して昔からではなかったともいわれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。