一晩中屏風と格闘した馬鹿婿
どんな伝承か
馬鹿婿が妻の実家に泊まった晩、これを立てて寝ろと屏風を出された。初めて見る物でどう立てればよいか分からず、まっすぐ立てては倒し、足を伸ばしては蹴飛ばし、一晩じゅう屏風の始末ばかりしていた。翌朝の食事の時、婿があれは誰だと尋ねると、舅は娘のことを聞かれたと思って、ちよほ子ですと答えた。すると婿はむきになって、ちよほ子だか何だか知らないが、俺は昨夜十八遍ばかりも立ててやったと言い放ったという。
原典より
真直ぐに立ては転ばし、足を踏み伸ばしてやつては蹴飛ばしたり—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。