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寝床を飛び越える月夜の童子

所在地岩手県紫波郡紫波町長岡
年代約二十年前の盆頃
登場橘某ら青年、小笠原謙吉、報告者
出典佐々木喜善全集 1
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どんな伝承か

紫波郡長岡村に某という農家があった。今から二十年ほど前のある盆の頃、橘某という人をはじめ四、五人の青年がこの家に泊まった。ところが誰言うともなく、この家の奥座敷にザシキワラシが出ると言い出したので、そのうちの一人が臥床をその座敷へ移して寝た。その夜は月夜で座敷中が明るかったが、とろとろと眠りかけた頃、どこからともなく一人の童子が出て来て、初めは遠慮しているようであったが、ついにその若者の寝床の上を飛び越え、跳ね廻り、幾度も悪戯をするので、堪らなくなって座敷から這い出し、皆と共に一夜を明かしたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))

『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。

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