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馬を抱えて谷を跨いだ大力の徳

所在地秋田県北秋田市ザウザウ
年代不明(伝説)
登場大力者の徳、ヲボの神、産神、山神
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

羽後の国北秋田郡のザウザウという土地に、徳という大力者がいた。身の丈七尺五寸、顔の長さは馬面と同じで、腮の長さが八寸あったという。家は貧しく山子で、山へ角材を削りに行っていたところ、ヲボの神から赤子抱きをさせられて大力を授かった。ヲボの神とは産神すなわち山神で、まことに美しい女人であったという。十九のとき、小作米四俵を馬につけて村外れの山峡の細道にさしかかると、不意に殿様の行列が来た。徳は避けようもなく、米俵をつけたままの馬を抱きかかえて谷川を跨ぎ、道を避けた。それを駕籠から見た殿様に召し出され、徳は力士に出世したという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))

『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。

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