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焼火箸で追われた黄金をひる地蔵

所在地岩手県岩手郡岩手町大字川口
年代不明
登場爺、婆
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

或る所に爺と婆があった。爺は用足しに町へ行くので、婆に、今日は用足しに行って来るが、決して奥の座敷を開けて見てはならないぞと言って出かけた。婆は、あの人はいつも一人で奥座敷へ行っているが、何か隠してあるに違いないと思い、言いつけを破って奥の座敷を開けて見た。すると棚の上に地蔵様がいて、その尻の穴から金の粒をぽろぽろと出していた。これだな、よしよし金をうんと産ませてやろうと言って、婆が焼火箸でその穴をじりじりと焼き広げると、地蔵様は金をひるどころか、ぶんと唸ってどこかへ飛んで行ってしまった。その家はそれからだんだん貧乏になったという。

原典より

爺は用足しに町サ行くので、婆ア婆ア今日俺は用足しに行って来るだス、まったく奥の座敷を開けて見てはならないぞと言って出掛けた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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