焼火箸で追われた黄金をひる地蔵
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どんな伝承か
或る所に爺と婆があった。爺は用足しに町へ行くので、婆に、今日は用足しに行って来るが、決して奥の座敷を開けて見てはならないぞと言って出かけた。婆は、あの人はいつも一人で奥座敷へ行っているが、何か隠してあるに違いないと思い、言いつけを破って奥の座敷を開けて見た。すると棚の上に地蔵様がいて、その尻の穴から金の粒をぽろぽろと出していた。これだな、よしよし金をうんと産ませてやろうと言って、婆が焼火箸でその穴をじりじりと焼き広げると、地蔵様は金をひるどころか、ぶんと唸ってどこかへ飛んで行ってしまった。その家はそれからだんだん貧乏になったという。
原典より
爺は用足しに町サ行くので、婆ア婆ア今日俺は用足しに行って来るだス、まったく奥の座敷を開けて見てはならないぞと言って出掛けた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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岩手町の伝承
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