饅頭を天井裏へ投げた馬鹿婿
どんな伝承か
舅のもとへ挨拶に出向いた愚かな婿の前に、蒸したての饅頭が出された。婿は湯気がもうもうと立ちのぼるのを見て怖がり、殺してから食うのだと言って天井裏へ放り投げてしまった。素麺の膳に向かうと、これは長い、長いと言いながら箸にくるくる巻きつけ、十六杯も平らげた。だから馬鹿婿なのだ、と話は結ばれる。
原典より
素麺の膳に向へば、そのま、、これは長い長いと言ひながら箸に巻き巻きして十六杯食つた。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。