落ちた櫛を拾うとその人の苦労まで拾うとされた
どんな伝承か
佐倉では、落ちていた櫛を拾うと、その人の苦労まで拾ってしまうと言い伝えられている。櫛はもともと神聖な存在を示すしるしであり、魔除けの呪物とも考えられてきた。『古事記』には伊邪那岐命が櫛を投げて難を逃れた話があり、これも櫛が魔除けの呪物とされてきたことに結びつけて語られる。櫛にまつわるこうした戒めは、櫛が単なる道具を超えて呪術的な力を帯びた物と見なされてきたことを示している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。