千人針と五銭白銅貨の願い
どんな伝承か
戦時中、佐倉でも千人針が行われたという。白い晒木綿に、千人の女が一目ずつ赤い糸で結び目を作ってもらい、寅年の者は自分の年齢の数だけ結ぶ力があるとされた。これを腹に巻いて兵士は戦線へ赴いた。霊力は女性によく憑き、その大勢の力を頼んでのことであろうと語られる。腹巻きには五銭白銅貨が縫いつけられたが、これは『死線を越える』という語呂に掛けたもので、単なる気休めではなく、言葉そのものに宿る霊力を信じてのことだったという。
原典より
これを千人針といって腹に巻きつけて戦線に行った。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。