安産を願うY型塔婆の犬供養
どんな伝承か
佐倉市の旧村では、安産を願う犬供養という行事が今も行われているという。Y型の塔婆に経文を書き、供物を入れた藁苞を下げて岐路や村境に立てる。もとは、悪くして産で死んだ犬に憑いた福神をもてなし、村から送り出す手段だとされる。また妊娠五か月目の戌の日に腹帯をつけるのは、もののけの憑かない犬にあやかり、我が子を一時犬の子に成り変わってもらうためだといわれた。お産の軽い犬にならって、無事の出産を願ったものである。
原典より
犬供養にはY型の塔婆に経文を書いて饗の物をいれた藁苞をさげて岐路や村境にたてる。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。