西行の箸から生えたという二股葦
どんな伝承か
万葉集の歌にも出る勝間田の池が下勝田にあり、ここには二股に分かれた葦が生い茂るという。昔、西行法師がこの地を訪れ、昼食をとろうとしたが箸がなく、近くの百姓に借りようとすると、貸す箸はない、後ろの枝でも折れと断られた。西行はしかたなく葦を折って箸にし、食べ終えると一首詠んで、その箸を地に挿して去った。箸は根を張って立派な二股葦となった。西行がこの池には自分の挿した葦のほか生えさせないと言ったので、土手を隔てた田には普通の葦が茂るのに池には生えないのだという。逆さに挿したため葉が逆さにつく逆さ葦だとする説もある。
原典より
三尺の土堤を隔てた田の中には普通の葦が沢山生い茂るのに、この池にはないのである。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。