庚申様(金毘羅信仰)を祀る名和家では古来鰻を食べてはいけない…
どんな伝承か
村には多くの禁忌が残されている。個々の家にも、トウモロコシを作ってはいけないとか、猫を飼ってはいけないというものがかなり多い。特に馬渡の名和家には古来、鰻を食べてはいけないと言われてきた。庚申様を祀っているからである。庚申様は四国金毘羅宮にある象頭山庚申山に由来し、金毘羅はもと霊鷲山に住む魚を祭神と仰ぐが、それは鰻の形をして尾に宝玉を有している。だから金毘羅すなわち庚申信仰には鰻は禁物といい、さらに字義から庚申は金の兄申、つまり金が我が身から去るに縁づけ、庚申を尊信して金持ちになりたいと願う余りこうなったのだと名和家では説明していた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史・自治体史(民俗))
『佐倉市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説・怪異。千葉県佐倉市に伝わる口承を採録する。