尊像が移りたいと告げた夢
どんな伝承か
田良尾の薬師堂の別当・金剛院には次のような伝承が伴っている。天文二年、南岳院の二男である宥心が会津芦ノ原に移り、金剛坊舎を院号に改めた。のち慶長十四年に火災に遭い、宥心が尊像を運び出したところ、その夜の夢に「田良尾にある空海建立の薬師堂に移りたい」とのお告げがあったという。別の伝承では、弘仁年中に金剛院の先祖が弘法大師に従って会津芦ノ原を開いて芦ノ原大明神を勧請し、のち慶長年中に田良尾へ移って金剛院と称したとも伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。