壊した家が没落した三石稲荷
どんな伝承か
三石稲荷は三つの石の中に祠があることからその名がある。この石を壊して使った家は祟りを受けて没落し、井戸も涸れてしまったという。ところがK家がウジガミとして祀るようになると祟りはやみ、戦争中には霊験あらたかな神として流行し、農作の神としても多くの参詣を集めた。祟りの激しい稲荷を屋敷神として迎えることで祟りを鎮め、かえって流行神に変えてしまった例である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術(天栄村(編)・天栄村史)
『天栄村史 第4巻(民俗編)――憑依と怪異・呪術』は、岩瀬郡天栄村が編んだ村史のうち民俗を扱う巻である。第八章「信仰伝承」では、旧村ごとの鎮守と鎮守以外の神々、寺院・仏堂・修験、家や生業の神々、道切りなどの呪術と禁忌、口寄せをするワカドノ、キツネツキ、オシンメイサマ、小豆洗いなどの妖怪、講を扱う。『白河風土記』や明治十一年の神社明細帳の記載と土地での聞き書きを照らし、近世から近代への移り変わりを記す。