出雲へ行かなかった川上町の蛭子様
どんな伝承か
蛭子神社の祭りは、たいていの土地では正月におこなわれるが、川上町では十一月十九日である。この神社の蛭子様は耳が聞こえず、出雲の神集めに参加しなかったので、旧暦の十月に祭ることになったのだという。奈良は古くから社寺を中心として発展してきた町で、神社関係では春日大社にまつわる伝説が最も多いが、蛭子神社・賽神社・福神神社・水鏡神社などにも縁起にまつわる話が残っており、川上町の祭日の由来もその一つである。
原典より
蛭子神社の祭りはたいてい正月であるが、川上町では十一月十九日である。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。