化粧で寝過ごし札所に入れなかった観音
どんな伝承か
日笠町の帝釈寺にある観音を、里人は朝起きの仏様と呼んでいる。あるとき仏様たちの会合があったが、この観音はお若く、年は十八歳であったので、前夜おそくまで化粧に余念がなく、翌日起きるのが遅れて会合に間に合わなかった。そのため三十三番の札所の仲間入りもできなかったという。それ以来、この観音は朝早く起きるようになったと伝わる。奈良市域には観音菩薩の慈悲や功徳にまつわる伝説が多く残り、これもその一つである。
原典より
日笠町の帝釈寺にある観音を朝起きの仏様と呼んでいる。—— 奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
奈良市史 民俗編――伝説(奈良市(編)・奈良市史)
『奈良市史 民俗編――伝説』は、自治体史『奈良市史』民俗編のうち、第十一章「伝説」と巻末の「民俗資料」の冒頭を収めたものである。昭和三十七年から三か年にわたり市内各町の自治会長や古老、社寺を訪ねて集めた伝説に文献の伝えを加え、春日大社・東大寺・興福寺などの社寺や、吉備真備・俊寛・中将姫らゆかりの人物にまつわる話を収める。木・石・塚・水・山・森・社寺・人物・動植物・町名の十節に分け、一話ごとに題を立てて記す。