槍を取り換えて持ち帰る槍祭
どんな伝承か
災難を除ける守りには、土地ごとにさまざまな品がある。武蔵国の王子権現では、毎年八月の十二日と十三日に槍祭が営まれた。参詣する者は槍を求めて神前に納め、先に納められていた槍と取り換えて持ち帰る。それを火難と盗難を除ける守りにするのである。同じたぐいの守りとして、大阪の清荒神では小さな塵取や杓子を束ねた火災除けの符を配り、山形の山寺では盗難除けと記した紙片を戸口に貼ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の研究(富士川游(監修)・富士川游・医学史/迷信研究・1932年(昭和7年))
『迷信の研究』は、富士川游が東京の中山文化研究所で監修し、昭和七年二月の緒言を付して世に出した迷信の解説書である。迷信を思考の錯誤ととらえ、その発生の由来を説いたうえで、身体・精神・疾病・妊娠と出産・育児・禁厭・相法・卜占・天文と暦・犯罪などの欄ごとに迷信の事例を挙げ、科学的な説明を加える。同研究所の展覧会に使った説明のポスターをもとに簡潔にまとめ、巻末の奥書に参照した独逸と日本の文献を掲げる。