岩窟で念仏を唱えて入定した三光法印
どんな伝承か
下丹生の中山に三光坊と呼ばれる場所がある。昔、三光法印という修行僧が自分で山腹に岩の穴を掘って住みついた。三年たって八十歳になった冬に病にかかり、村人が薬を与えても治らなかった。ある日、法印は前から天へ通じる穴を掘っていてそれが先日できたので中へ入る、蓋をして土をかけてくれと村人に頼んだ。そして穴の中で鐘を叩き念仏を唱え続け、二十一日たって音が絶えたときに亡くなったと伝えられる。ここには文字のない高さ九十センチほどの石碑が立っている。そばには明治の初めごろまで幹回り二メートル七十センチほどの枝垂れ桜があったが、伐られてしまったという。
原典より
下丹生の中山に「三光坊」という所がある。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。