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断絶した野口家の姥と幼子を祀る子抱き観音

所在地群馬県富岡市下黒岩(長学寺)
年代文政
登場野口助之丞
出典富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話

どんな伝承か

江戸時代、七日市藩領だった下黒岩に野口助之丞という名主がいた。藩の家老野尻某は、武士の自分が野尻で百姓が野口とは許せぬと姓を取り替えろと迫り、拒まれると事件をでっち上げて野口家の断絶を図った。一家は河原で首を切られたが、二歳ほどの男児だけは姥が背負い、山伝いに谷を逃れて高尾の長学寺へ駆け込もうとした。ところが石段の途中で先回りしていた藩士に斬り殺された。土地の人は二人を憐れみ、その霊を祀る子抱き観音を建てた。姥が逃れた谷は姥が谷と呼ばれるようになった。殺された人の火の玉は寺の南の山頂の杉の梢へ飛び、以来夜になるとその杉に灯がともって黒岩からもよく見えたといい、灯明杉と呼ばれた。

原典より

江戸時代、下黒岩に名主、野口助之丞という人がいた。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)

『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。

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