米倉の校舎に入ってくる童子
どんな伝承か
遠野の小学校がまだ南部家の米倉を校舎に使っていたころの話。夜の九時ごろになると、玄関の戸の隙間から白い着物を着た六、七歳ほどの童子が入ってきて、教室の机や椅子の間をくぐり抜けながら楽しそうに遊んでいたという。佐々木喜善が伝えた座敷童子の一例で、こうした童子はたいていオカッパ頭で赤い顔をしているとされる。子供は神と人とをつなぐ存在だという民間信仰があり、それが家の盛衰を司る守護神と重ねられたのだろうと説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。