落城から子を隠したあばさき家
どんな伝承か
芝のあばさき家は、常陸にあばさきという地名があり、そこから出た家だと言い伝える。あばさき城が落ちるとき、その家は庄屋とも名主ともいわれる立場にあった。うちは官軍の方だから幕府の方に攻められたのだといい、そのとき十三人の名主がみな殺された。殺される前に、二人いた子が不憫だというので、一人を利根町へ、一人を神崎町へ預けて隠した。以来あばさきという地名を取って苗字とし、家は長く続いているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
成田市史 民俗編――昔話・伝説(成田市(編)・成田市史)
『成田市史 民俗編――昔話・伝説』は、成田市が編んだ市史の民俗編のうち、口承文芸の節を収めたものである。昭和五十二年から五十四年にかけての聞き書きをもとに、話者の一覧表を掲げ、喰わず女房や猫の踊などの昔話二十六話、多古の殿様などの笑話二十二話、七不思議・巨人・塚・坂・主の話など成田の伝説十二項を載せる。昔話と笑話の題には『日本昔話集成』の型番号を付し、語り始めの句や語りの場の解説を添え、末尾に世間話の節の冒頭を収める。