山の神が山を調べる日に休む椎葉の猟師
どんな伝承か
『日向民俗』第一号の狩猟資料によると、宮崎県椎葉の猟師の山の神祭りは、旧正月二十日が一年の猟を祈る予祝の日で、三月と九月の十六日は山の神が山を調べる日として猟を休む。十月の亥の日は猟だめしといって大切な日とされ、さまざまに縁起をかつぐという。一方で狩猟以外の林業者は旧暦の正・五・九月の十六日、炭焼きは三・九月の十六日を祭日としており、狩りと林業の信仰が混じり合っていることがうかがえる。
原典より
宮崎県椎葉の猟師の山の神祭は旧正月二〇日が予祝で、三月・九月の一六日が山の神の山調べの日として休み、一〇月亥の日を「猟だめし」といって、たいせつな日とされ、…—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。