川倉の地蔵堂に集うイラタカ数珠
どんな伝承か
死者の霊をこの世に呼び出す巫女はイタコと呼ばれ、東北地方のうちでも青森・岩手・宮城に主として住んでいる。青森県では恐山のほかに、北津軽郡金木町字川倉にある地蔵堂の祭日にも、約三十名ほどのイタコが集まる。ここに集まるイタコはそのほとんどがイラタカ数珠を持ち、弓を使う者はきわめて少ない。昔は巫女のことをササハタキと称したところを見ると、もとは手に笹を持ったものと思われる。イラタカ数珠には鷲の爪、熊や貂の上顎、白い角などがムロクジの玉とともに糸に通してあり、柳田国男はイラを刺の意と解している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。