マタギと同じ日に祭る炭焼小屋の山の神
どんな伝承か
狩人と里人との接触が密になるにつれて狩猟民の農民化が進み、杣人や炭焼きの働く山も、狩り場と入会地のようになっていった。そのため双方の山の神が歩み寄り、山の神の性格をいよいよ複雑なものにしている。秋田県仙北郡檜木内村の炭焼きは、同村字寺村のマタギ部落から出かけ、一一月から翌年四月八日ころまで炭焼小屋に滞在する。その小屋の山の神祭はマタギと同じ日で、旧一二月一二日、旧二月九日、旧二月二三日に行うという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。