精進頭が玉橋を渡る正月の御棚神事
どんな伝承か
春秋の祭りとは別に、あるいはそれと重なって正月の祭りが大祭となることがあり、それは正月の「おこない」や「おびしゃ」のような行事を大きく取り上げたものだと原典はいう。ただしそうした例はかえってまれで、そのおもなものとして京都の賀茂神社で正月十四日に営まれる御棚の神事が挙げられている。この神事では、五人の精進頭が神に供えるお棚の品々を調え、樒の枝を捧げ持って、神の渡る橋とされる玉橋を越えて社殿に参り、奉仕するという。
原典より
五人の精進頭がお棚の供物を準備して、樒の枝を捧持し、神の橋である玉橋を渡って参入し奉仕する。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。