比売許曽神社に伝わる頼光の大江山願書
どんな伝承か
摂津国味原郷小橋村の比売許曽神社には、源頼光の願書と伝える文書がある。摂津守源朝臣の名で記され、丹波国大江山の夷賊を退治せよとの勅命を受けて出陣するにあたり、比売許曽の大神の霊に祈りをささげ、まごころを尽くすと誓う内容で、寛仁元年正月十日の日付を持つ。社家の久美寿々理家に伝わるものとされる。著者はこの文書を、大江山の鬼を強盗の類とみる醍醐随筆の説のすぐ後に掲げている。
原典より
丹波國大江山夷賊爲退治義勅命發向訖速可新比賣許會大神靈可抽丹誠之狀執達如件—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。