雑司ヶ谷鬼子母神堂の鷺大明神祠
どんな伝承か
東京市外の雑司ヶ谷にある鬼子母神堂の左手には、出雲から分霊した鷺大明神の祠がある。引かれた記録によれば、祭られている神ははっきりしないが、出雲国の鷺浦に鎮まる素盞嗚尊ゆかりの女神だともいう。疱瘡を守る神で、正徳のころ松平羽州侯が神のお告げによってここに勧請した。疱瘡除けを願う人々は社前の小石を拾って守りにし、毎年八月一日に祭りがあり、毎月一日が縁日とされていたという。
原典より
此の神は疱瘡の守護神にして、正德の頃松平羽州候神告に依て、是れを勧誘す。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。