鬼と噂された七曲がりの坂の羚羊
どんな伝承か
白河の小目川村のほとりに、七まがりという坂がある。この坂に鬼が出るという噂が立ち、我も人もと連れ立って見に行った。見たという者もあれば、見なかったという者もあり、見た者の語る形も一定しなかったが、それでいよいよ鬼であろうということになって、誰もが西へ背を向けて逃げ、この話をしない者はないほどであった。ところがその後、猟師が鉄砲で射止めてみると、正体は大きな羚羊であったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。