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諸堂炎上の煙上に現れた天狗と鬼形

所在地京都府京都市左京区岡崎法勝寺町(法勝寺)
年代不明
登場天狗の姿の者
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

太平記が伝える大寺の炎上の場面。金堂・講堂・阿弥陀堂・鐘楼・経蔵・総社宮・八足の南大門・八十六間の回廊が、わずかの間に焼け落ちて灰となった。燃えさかる最中に外から見ると、煙の上で鬼の姿をしたものが諸堂に火を吹きかけ、天狗の姿をしたものが松明を振り上げて塔の各層に火をつけていた。金堂の棟木が落ちると彼らは一斉に手を打って笑い、愛宕・大嶽・金峰山の方角を指して去っていった。しばらくすると花頂山の五重塔と醍醐寺の七重塔が同時に焼けたのは不思議なことだという。

原典より

やける最中外より見れば、けぶりの上に、あるひは鬼形なるもの、火を諸堂にふきかけ、あるひは天狗のかたちなるもの、たい松をふりあけて塔の重々に火をつけけるが、金堂のむな木のおつるを見て一同に手をうちごつこ、わらふて…—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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