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不思議の鉄砲に撃たれた僧形の老狐

所在地岐阜県高山市
年代天正十三年〜
登場千野兵庫、桂岳、蛻菴を副主にした興福寺の和尚
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

提醒紀談の蛻菴という狐の話。初め飛騨の参議秀綱に仕え、秀綱が滅びると信濃の諏訪へ来て、天正十三年、諏訪の一族千野兵庫に招かれた。仮寝の姿が老狐だと見られて暇を請うたが、兵庫は人か否かは問わぬと引き止めた。それでも蛻菴は去り、岐組の興福寺で桂岳和尚に仕えて副主を務めた。のちに師の使いで飛騨の安国寺へ向かう途中、日和田村の田舎家に泊まると、主人が名工国友作の、構えて覗けば妖魔が正体を現すという鉄砲を持っていた。囲炉裏端に座る蛻菴を覗くと僧衣の老狐が見え、一発で撃ち倒すとやはり狐だったという。

原典より

其の夜脱着は圍炉裏のほこりに何心なく坐して居けるを主人かの管をためて、望み見けるに老狐の僧衣を着たるにてありければ、一發にこれを覧すに果して狐にてぞありけるこなり—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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