もらい子を殺し続けた老婆二人の打首
どんな伝承か
寛政三年(一七九一)、広島の藩医・進藤寿伯の著書『耳の垢』には、幼児を金とともにもらい受けては次々と殺し、その金で生計を立てていたとおぼしき、あさ・かんという二人の老婆が打首になった記事が載っている。厳しい生活苦の一端がうかがえる事件として、当時の世相を伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・1973年(昭和48年))
『日本の妖怪』は、早川純夫が一九七三年(昭和四十八年)に著した妖怪史の読み物である。『出雲風土記』『日本書紀』から『日本霊異記』『今昔物語』、江戸の『新著聞集』などの随筆までの古典に記された妖異を、かかわりのある実在の人物や事件とともに古代から近世へ時代順にたどる。全八章で、引用は意訳を交えて『』でくくり、仏教談や霊験談、地方の民話はおおむね除き、第七章には江戸の見聞録から選んだ二十話を並べる。