盆に水辺で祭る古い霊セイジン
どんな伝承か
高知県の土佐山村では、盆に水辺で祭るものをセイジンと呼ぶ。セイジンは無縁の霊のほか、縁者であっても古くなって記憶に残っていない者の霊も指すという。著者は、三十三年や五十年の弔い上げを済ませた古い仏は本来鎮まった清らかな霊で無縁仏とは違うが、盆に重んじられるのが位牌のある仏だけになると、そうした古い霊が祭りの対象から外れ、無縁仏と一緒に祭られるようになったのではないかと考えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。