滝の水がよけた行の記憶
どんな伝承か
本山博が六歳ごろ、暑い夏の日中に、土庄から二里ある山の行場、肥土山からさらに半里余りの所へ連れて行かれた。その日初めて滝に打たれたが、落ちる水の力で頭は割れるように痛み、鼻も口も目も耳にも水が入って息ができない。滝壺が深くて外へ出ることもできず、そのうち意識が朦朧としてきた。すると急に楽になり、薄目を開けると水がかなり外れた所に落ちていた。岩を伝って滝壺の外に出ると、母たちが滝に向かって九字を切り祈っていた。母は「お前が苦しそうだから、神様にお願いして滝の水をよけていただいたのだ」と言ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
フィリピン心霊手術調査行(本山博・本山博・宗教心理学・1971年(昭和46年))
『フィリピン心霊手術調査行』は、本山博が一九七一年に著した、フィリピンの心霊手術の現地調査記の上巻である。ライン教授の紹介で来訪したベルク氏を機に二度フィリピンへ渡り、トニー、ブランシェ、メリカド、ゴンザレスらの心霊手術に立ち会い、手術家の超心理学的検査や脳波測定を行った経緯を、見聞したままに記す。第一回調査、帰国後の日米での反響とインチキ騒動、第二回調査の三章からなり、巻頭に手術標本の病理診断書を掲げる。