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父には見えなかった五島のヤマオンナ

所在地長崎県五島市
年代伝承(口承)
登場貞方、体験者
出典河童・天狗・妖怪――民俗随筆

どんな伝承か

五島の福江島にもヤマンバやヤマオンナが住むが、野に生きる女のようなもので、人に害をなすとは聞かない。福江島岐宿村の貞方という人が五十余年前、父親について山仕事に出かけ、引いてきた牛や馬をつないで餡餅を食べていると、どこからともなく一人の美女が現れ、えへへと笑いながら近寄ってきた。貞方が父に、きれいな女が来たと告げたので父親は急いでやって来た。牛や馬はひどくおびえていたが、父親にはその女の姿が見えず、やがて女はヘゴの茂みに隠れてしまった。これがヤマオンナだったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・1956年(昭和31年))

『河童・天狗・妖怪――民俗随筆』は、武田静澄が昭和三十一年に著した民俗随筆である。天狗と神かくし、河童、座敷わらし、山の神と山の妖怪、狐狸とつきもの、水辺や海の亡霊、死霊と御霊などをめぐる伝承を、『今昔物語』などの古典の説話と各地の民俗の事例から集めて語る。短い見出しを立てた小文を連ねる形をとり、神かくしにあう心理や幻覚、お化けの心理にも触れて、妖怪を信じる心のはたらきを考える。

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ヤマオンナ山の女牛馬がおびえる

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