背後の霊団が命じた想念停止の修行
どんな伝承か
五井昌久は交霊会に通ううちに、自宅で修めていた神想観が憑霊的な性格を強め、その傾向が日常生活にも及んで自由意志を奪われるようになった。生長の家では霊能講師と認められる一方、通常の勤務が不可能となって退職する。心霊研究会で知り合った人物の家に住み込んで修行したが、予知や治病の力が強まった彼は警戒され、昭和二十四年に自宅へ帰った。その際に譲り受けた観音像について神示があり、翌日から「想念停止」の修行が始まる。「背後の霊団」は頭を去来する想念のすべてを停止せよと指示し、以後数十日、五井は絶食状態で一切の個我の念を許されず、恐怖を送り込まれ甘言で慢心を誘われる試練を受けたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鎮魂行法論――近代神道世界の霊魂論と身体論(津城寛文・津城寛文・宗教学)
『鎮魂行法論――近代神道世界の霊魂論と身体論』は、津城寛文が著し、春秋社から刊行された宗教学の研究書である。本田親徳・出口王仁三郎・浅野和三郎・友清歓真・川面凡児・田中治吾平・宮地水位など、近代以降の神道界とその周辺に現れた鎮魂行法家の系譜をたどり、その鎮魂帰神説や霊魂観をシャーマニズム研究の観点から整理する。序章と全七章からなり、第一章で行法家の群像を描き、第七章では「宗教的身体境界」の考え方によって鎮魂行法を類型化する。